フランスの新左翼

1968年の5月革命当時、自然発生的に生まれた多くの極左組織はその後、解散を命じられたり整理統合したりした結果、直接行動を唱える毛沢東主義者マオイスト、共産党に替わる革命組織造りを目指すトロツキスト系に大別されます。72年2月にフランス国営ルノー自動車公団のマオイストの青年が同公団警備員に射殺された事件と、これに報復する形で同年3月に起きた同公団幹部誘拐事件の双方に関係したのはマオイストの中心勢力でした。人民の大義派で、その過激な行動が、一般労働者の支持を失わせつつありました。これに対してマオイストに批判的なトロツキスト系は共産主義者同盟、リボリシュオン、社会主義のための青年連合、労働者の闘争、革命的マルクス主義連合などに分かれ、メンバーはそれぞれ1500人から3000人ということでした。機関紙なども、マオイストより整っており、特に共産主義者同盟は大統領選挙に候補者を出したり、左質統一行動を呼びかけたり、一般政党活動に重点を置いているため、マオイストからは合法主義者と非難されていました。

冷戦時の欧州

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