東欧統一軍

東欧統一軍とは1955年5月14日、ワルシャワ会議で調印された東欧8カ国の相互援助案約で、東欧の集団安保機構が設けられて、統一軍最高司令官にはソ連のコーネフ元師が任命されました。本条約は西ドイツのNATO加盟対抗を目的につくられ、有効期間は20年、加盟国はソ連、ポーランド、東ドイツ、チェコ、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリアで、アルバニアは68年9月13日、ソ連・東欧5力国のチェコ侵入を理由に脱退しました。69年3月ハンガリーの首都ブダペストで政治諮問委員会会議で、統一軍司令部に関する新規約が採択されました。新規約の内容は明らかではありませんが、統合軍が結成されたようでした。ワルシャワ条約軍の兵力のうちソ連軍は、陸軍200万、海軍46万5千、空軍50万、戦略ロケット軍25万、ワルシャワ条約軍全体では427万人でした。
ソ連・東独友好相互援助条約は1964年6月12日にモスクワで調印された二国間条約で、両国の友好関係を強調し、両国のどちらがが武力攻撃の対象となった場合の即時の相互援助を規定していました。西ドイツの北大西洋条約機構加盟をきっかけとして、両国間に結ばれたソ連・東独主権回復条約を基本として、ワルシャワ条約で規定されている共同防衛を個別的に、特に2国間で規定した点に持色がありました。ベルリンを独立の政治単位とみなすとしている点、ドイツ再統一間題について、あらためて2つのドイツの存在を確認し、両国の平等の立場での交渉との合意が必要であるとしている点が注目されました。

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