西欧同盟

西欧同盟とは相互援助条約に基づいた集団防衛のための同盟組織。西欧側は超国家的欧州機関としてのEDCを欧州防衛の中核とするよう努カしてきましたが、1954年8月にフランスがEDC案を拒否したために、9月のロンドン5力国会議、10月のバリ14力国会議の結果、ブリュッセル条約を根本的に修正して、加盟国,イギリス、フランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの五カ国同盟を、西ドイツ、イタリアを加えた7力国同盟としました。ここに前の5力国同盟は西欧連合と呼ばれ、あとの7力国同盟は新西欧同盟と呼ばれることになりましたが、前者が経済的社会的文化的協力を定めるとともにドイツの侵略政策を対象としたのに対し、後者はヨーロッパ統一を促進し、その漸進的な統合を奨励することを新たな目標とし、西ドイツをも含めた同盟組織としてもっぱらソ連に対抗する軍事的性格を帯びたものでした。統一司令部はなく、加盟国はNATO軍の欧州連合軍最高司令官のもとに兵力を提供しました。西欧間盟はEEC6力国とイギリスが加盟していることから、フランスを除く各国はイギリスのECC加盟促進のための協議機関的役割をこれに与えようとしたために、69年にはフランスとの対立が表面化し、同年2月以来、フランスは理事会をボイコットしてきましたが、70年6月の理事会に出席しました。

冷戦時の欧州

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