ヨーロッパ連邦

欧州の諸国を一つの連邦としで構成する国際組織がヨーロッパ連邦。その構想は古く14世紀のビエル・デュボアの聖地回復論に始り、学者、政治家の大きな夢でした。第二次大戦後1950年代に具体化しましたが、60年代に入ってその動きは足ぶみ状態でした。NATO北大西洋条約機構、WEU西欧同盟による軍事的統合、シューマン計画の根幹をなす欧州石炭鉄銅共同体ECSC、ヨーロッパ経済共同体条約EEC、ユーラトム条約などによる経済的な統合、そしてまた欧州政治共同体EPCの動きなどの軍事、経済、政治の分野における超国家的連邦的統合が進められていますが、経済面を除いてその歩みは曲折をたどっていました。
欧州会議は1949年5月に設立され、政治代表者会議、協議会、事務局の三者から成ります。この会議の真の目的は欧州の漸進的統合にありましたが、イギリスは統合のための超国家機関の設置を歓迎せず、このため会議は各国共通の間題を討議する横の連携を持つだけで、まだすっきりした業績を上げていませんでした。フランスや西ドイツなど六カ国は、これと別に欧州政治共同体EPC条約に調印して、欧州会議をEPC未加盟国との連絡調整機関としていました。69年12月の欧州会議閣僚委員会は、その前年に軍事独裁制をしいたギリシャを除名し、ギリシャは除名決議直前に脱退しました。

冷戦時の欧州

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